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ビジネス発想源

件名: [発想源]4975:潜在的ニーズとは
2018/06/20
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◆【ビジネス発想源】   http://www.winbit.biz/
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2018/06/20  Daily Mail Magazine by M.Hironaka
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 【第4975回】潜在的ニーズとは
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 最近読んだ本の内容からの話。


 高崎充弘氏は東大工学部卒業後に三井造船に入社し、
 1年間アメリカに留学して、潤滑や摩擦などを
 対象とする学問であるトライポロジーを研究した。

 1983年、父と叔父が創業者である
 プロ用の作業用工具の製造卸業の会社、
 株式会社エンジニアに入社する。


 アメリカから輸入していた20?30種類がまとまった
 プロ用の作業用工具セットの中に、
 ガスクッションプライヤーという工具があった。

 ガス管の継ぎ手部分をモンキーレンチなどで回す際に
 パイプが一緒に回ってしまわないよう、
 もう一方の手でパイプを掴んで固定するための工具だが、
 トライポロジーを研究したことのある高橋氏は、
 それを見てあることを思いつく。

 ペンチやニッパーなどの一般的なプライヤーは
 掴んだものを手前に引っ張るためにヨコ溝が付いているが、
 そのガスクッションプライヤーの先端部分には
 横に滑らないようにタテ溝が刻まれていたので、
 「これ、ネジ頭をつかめるんとちゃうか」と気づいたのだ。

 ネジはドライバーで外すものだが、錆びたネジや
 なめたネジ、特殊なネジはドライバーでは難しく、
 それをつかんで取りたいというニーズはあると考えたのだ。

 
 そこでエンジニアは2000年、
 工具セットの中からこのプライヤーだけを独立して
 「小ネジプライヤー」という名前で売ったところ、
 初月で15丁、1年間で800丁ほどしか売れなかった。

 しかし、工具の世界は商品寿命も割と長く、
 小売店からの反響も良かったため、
 よりしっかりネジ頭をつかむことができるように
 形状の改良も行っていった。

 そして、「ネジザウルス」という名前で
 2002年に再発売したところ、
 初月に約4500丁も売れ、1年で約7万丁も売れた。

 工具は年間1万丁も売れれば大ヒットと言われ、
 ネジザウルスは同社の初めてのヒット商品となった。

 2004年、ネジザウルスを生み出した高橋氏は
 同社の社長へと就任した。


 ネジザウルスはその後も売れ続けたが、
 2008年秋のリーマンショック後、
 公共事業の減少からか売上が鈍ってきた。

 しかし「一家に一台」と計算してみれば
 まだまだ需要はあると高橋社長は考えており、
 さらに高機能の4代目モデルの開発に没頭した。

 約1000通のご愛用者カードを読んでみると、
 改善点や追加機能の提案は、次のようなものだった。


 1位:グリップを握りやすくしてほしい(120通)
 2位:先端を細くしてほしい(50通)
 3位:バネをつけてほしい(20通)
 4位:カッターをつけてほしい(15通)
 5位:トラスネジもはずせるようにしてほしい(7通)
 

 1位のグリップデザインはすぐに改良し、
 また2位?4位の改良も難しくないが、
 高橋社長が特に注目したのは、たった7通の
 「トラスネジもはずせるようにしてほしい」だった。

 トラスネジとはネジ頭の部分が低いネジのことだが、
 トラスネジを通常のナベネジのようにはずすことが
 技術的にはとても難しいことだった。

 1000通中たったの7通の少数意見を
 汲み取ってまで、その難問に挑戦すべきかどうか、
 本当にそういうニーズがあるのかどうか。

 諦めずに研究を続けていると、
 あっけなく結論が出た。

 ネジをつかむ先端の形状を、従来の凹型から
 凸型に変えるというあまりに単純な工夫を
 社員の一人が考えついたのだが、やってみると
 トラスネジは簡単に回せるようになったのである。

 非常に単純な工夫だが、思いつかない時は
 いくら頑張ってもこれだけのことが思いつかない。
 固定観念というのは恐ろしいものである。


 トラスネジを回せる新機能などを追加した
 4代目モデル「ネジザウルスGT」を
 2009年5月に市場投入したところ、
 2009年の販売数は7ヶ月で7万2000丁に達した。

 ネジザウルスシリーズの累計販売数は、
 2015年の時点で250万丁に達するほどの
 過去に例のない爆発的なヒット商品となった。

 
 なぜ、最も多くのお客様が望んだ改善点ではなく、
 少数意見がウケたのか。

 多くのお客様が望んでいる時点で、
 それはすでにニーズではない、
 と高橋社長は語る。

 それはメーカーが実現するのが当然の問題点であり、
 減点対象ではあっても、それを実現したところで
 加点されることもないし、驚きもない。

 その点、ほとんどのお客様が気づいていないという意味で
 少数意見には驚きがあり、
 潜在しているからこそニーズなのである、
 と、エンジニアの高橋充弘社長は述べている。



 ▼出典は、最近読んだこの本です。
  大ヒット商品ネジザウルスを生んだ高橋社長の著作。
  ニーズを発見し開発する行程が理論的に記されています。

 ・「ネジザウルス」の逆襲 (高橋充弘氏著)
 https://amazon.co.jp/o/ASIN/4534053142/winbit-22/



 マーケティングのセミナーなどに行くと、
 ニーズだウォンツだなどという用語が飛び交いますが、
 「お客様の要望とは何か」という根本的な定義まで
 及んでいるケースはけっこう少ないものです。

 例えば、赤色の口紅への改善点を聞く際に、
 「ピンクの口紅も欲しい」「青色の口紅も面白そう」
 というのは、お客様の要望と言えるかどうか?

 「青色の口紅も面白そう」というのは要望とは言えない、
 というのであれば、
 「こういう場所では、青色の口紅はこんな意味があるので」
 という根拠まであれば、要望と言えるか?

 「ケースがないから、ケースがほしい」
 という当たり前のことも要望と言えるのか?

 そういう、求めている「お客様の要望」とは何か、
 という定義が、ものすごく重要です。

 この定義がないと、大多数の意見こそが大事な要望で、
 少数意見は大事ではない要望だから捨てよう、
 ということになってしまいます。

 そうなると、他社でも同じことを考えるわけだから、
 無難なものしかできなくなってしまいます。

 少数意見は大事ではない、というわけではないし、
 少数意見だから大事、ということでもない、

 「こういうものこそ、本当の要望と言えるのだ」
 という定義が、自分たちの中にあるかどうかです。

 その定義があれば、いろいろな声の中から、
 たった一人から声にも「これはもしや!」という
 大きなビジネスチャンスが発見できるのです。

  

 【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)-------------
  ・これからの自社の開発や企画に必要な「お客様の
   潜在的ニーズ」とは何か。自分たちの言葉で
   その定義をノートにまとめる。
  ・その潜在的ニーズを見つけるには、どうすればいいか。
   ノートに列挙してみる。
  

  ※本日の「今日の発想源」はいかがでしたか?
   ぜひ実践した意見や感想を、筆者までお伝え下さい。
   ご意見・ご感想はこちらへ→ http://goo.gl/E1axwp

  ※必ずノートに書き込んで実践してみよう!
   (考えるだけ、PCで打つだけでは意味がありません)



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