まぐまぐ!
バックナンバー

サッカーを読む(フットボール書評)

件名: サッカーを読む第200号:日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由
2018/07/16



━━━━━━━━━━━━━━━━◎第200号━━2018/7/16━━
 サッカーを読む(フットボール書評)review football books     
 ────────────────────────────
 ☆目次
  ○ 今日の本
  『日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4809410544/footballreview-22

  【あいさつ】
  【書評】
  【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

----------------------------------------------------------
 ブログ:『もっとサッカー本を読もう!』
     → https://ameblo.jp/review-football-books/ 
        ↑ 月数回更新

 ツイッターはじめました
     → https://twitter.com/musashitomiyo1
        ↑ 週数回更新

 サイト:『サッカーを読む(フットボール書評)』 
     → http://www7a.biglobe.ne.jp/~soccer_review
        ↑ すいません、試作中のままです

----------------------------------------------------------




  ○ 今日の本

  書籍名 :日本女子サッカーが世界と互角に戦える本当の理由
  著者名 :松原渓
  出版社名:東邦出版
  出版年月:2012年7月8日




 【あいさつ】

 今年も暑さの厳しい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょ
うか。

 ロシアW杯の連日の熱戦の影響で、寝不足の方も多いのではない
でしょうか。

 決勝戦も終わり、元の落ち着いた生活が戻る方も多いのではない
でしょうか。

 これからも暑さが続きますので、くれぐれもご自愛ください。

 さて、、、


 前回配信が今年一月、世界的フォト・ジャーナリスト集団が編纂
した『マグナム・サッカー』についてなので、およそ5か月以上、
間が空いてしまいました。

 すべて私の不徳の致すところであります。

 誠に申し訳ございませんでした。




 突然、話は変わりますが、本書を取り上げたのは、私が最近、南
葛SCというJリーグを目指すクラブのゲームを何試合か観たから、
というよりも、今年に入ってから、なでしこチャレンジリーグや皇
后杯東京都予選や東京都女子サッカーリーグのゲームを何試合か観
たことから、という理由が大きいです。







 【書評】


 本書を読み始めて、最初に衝撃を受けたことは、著者自身が、じ
つは優秀なアスリートであり、世が世なら(女子サッカーがより普
及して、現役選手のプレーの選択肢が多ければ)なでしこリーグで
活躍していたかもしれないということである。

 現役選手が引退して解説者や指導者になる、プレーしながら指導
にあたったりゲーム解説、というパターンは増えてきたが、大会な
どの取材・執筆だけでなく、サッカー・ジャーナリストとして確実
に実績をあげる経歴というのは、あまり例がないのでは、と感じた。

 しかし、それ以上の衝撃を受けたことは、じつは、私の女子サッ
カーに対する考え方と、著者が女子サッカーについて解説している
ことが似ている、いやもはや、合致していると言っていいほどだっ
たことである。

 例えば、

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  なでしこリーグの試合を観ているとトラップ、インサイドキッ
 クやインステップキックなど、基礎技術がとても丁寧なことがよ
 くわかる。
  パワーより技術で勝負するなでしこリーグでは「ギリギリまで
 パスをつなぐ」場面が必然的に多くなり、Jリーグならシュート
 を放つ局面も、選手はよりゴールに近い位置までボールを運ぼう
 とする場面が目立つ。ということは、必然的に1人あたりの運動
 量も多くなる。
  Jリーグでは、1人の選手が1試合(90分間)あたり、平均7
 〜10キロぐらい走るといわれる。INACが2011年に取り入
 れた最新の測定システムの測定結果によると、1試合あたりのチ
 ームの走行距離は選手1人平均10キロを超えていたという。
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

女子サッカーの魅力は技巧的なサッカーをするところ、という説明
や論説は、2004年8月に岩波書店から刊行された名著『がんば
れ!女子サッカー』はじめ各所で語られているところであり、私も
まったく同感なのだが、本書でも同様のことが語られている。


 さらに、

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  Jリーグと比べると、全体的にプレースピードが落ちるのは否
 めない。男性に比べると筋力や身体能力も違うのだし、競技の特
 性上、それは仕方のないことだ。しかし、なでしこリーグのスピ
 ード感は、サッカー観戦を始めるうえでの良い「テキスト」にな
 る。

 (途中略)

  私は海外サッカーを見始めた頃は、ボールと人の動きが速すぎ
 て、ボールの動きを追うので精一杯だった。22人が一斉に動いて、
 グラウンドの状況は刻々と変化していく。ポイントを抑えて観な
 いと、なんとなく90分間が終わってしまうことも多かった。でも、
 目が慣れてくると、ゴールを決めた選手だけでなく、アシストを
 した選手までもわかるようになってきた。試合の流れを呼び込む
 プレーや、選手同士のホットラインまでもがわかるようになって
 きた時はとても嬉しく感じたことを覚えている。

  もしサッカーを観戦するきっかけの入り口が女子サッカーであ
 ったなら、サッカーを理解するスピードも早まっていただろう。
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

著者は、なでしこリーグの観客層の考察などとあわせ、サッカー観
戦初心者は女子サッカーを観ることから始めた方がよいと語ってい
る。

 じつは、私も、(前身のLリーグを観ていたころはそこまで強く
考えていなかったが)なでしこリーグを観戦するようになってから、
何度もブログで同様の事を書いていたので、正直言って、驚きを禁
じ得ない。




 本書は、取材したフットボーラーや関係者の人選も、著者自身の
ジャーナリストとなる以前の、フットボーラーとしての歩みが反映
されているとも感じた。
(スフィーダ世田谷や大和シルフィードは、私の観戦体験からして
も感慨深いものがあった)

 それはまた、じつは、日々の生活の中で、いかなる形であれ、サ
ッカーと関わる、フットボールに対する想いを持つ人間ならば、自
身に適した形でサッカーを語る、筆を取ることが可能なのではない
か、そして、フットボールとより深く関わる、何らかの形で自身の
人生の喜びの一部としてサッカーに携わることができるのではない
かと想像、いや、希望を抱かせる。

 サッカー大国では誰もが評論家だ、などと評する言葉を大昔、ど
こかで読んだ記憶がある。本書のようなサッカー本がいくつも現れ
るようになったとき、日本も世界から一目置かれるサッカー大国に
なったと言えるのかもしれない。





 【編集後記】

 私が初めて本書の著者の存在を知ったのは、2008年夏に刊行
された『愛するサッカーを仕事にする本』を読んだ時でした。

 その後、何度か著者のアメブロやYahooニュース記事を拝見して、
同じ映画を観たり(例えば、ネパールの山岳映画なのだが内容は女
子サッカーの『スナカリ』)、同じゲームを観戦しても(例えば、
昨年晩秋のなでしこリーグ入替戦、埼玉・川越で行われた、ちふれ
ASエルフェン埼玉vsセレッソ大阪堺レディース)、プロの作家
が書くと、これほど違うのか、と私自身の駄文悪文と比較して驚愕
したことがあります。

 早く次作が刊行されないかなと願いながら、この文章を書いてい
ました。







  ≪文中敬称略≫







━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◇メルマガ名
   〜サッカーを読む(フットボール書評)〜
 ◇発行周期
   不定期(月数回発行)
 ◇発行者
   むさしとみよ
 ◇『もっとサッカー本を読もう!』ブログ
   → https://ameblo.jp/review-football-books/


Copyright (c) 2005- Musashitomiyo All rights reserved.
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━





前号
バックナンバー一覧

s登録する
解除する

利用規約
ヘルプ
メルマガ検索
マイページトップ
まぐまぐ!トップ