まぐまぐ!
バックナンバー

西行辞典

件名: 西行辞典 第368号(180407)
2018/04/07
************************************************************

      ◆◆◆◆  西行辞典  ◆◆◆◆
                        
                  vol・368(不定期発行)
                   2018年04月07日号

************************************************************

         今号のことば    

         1 都・みやこ 

都うつり→第315号「ふり・ふる (5)」参照

************************************************************

          ◆ 都・みやこ ◆

【都・みやこ】

天皇が住む町。皇居のある町を言います。
山家集にある「都」は主に平安京を指します。今号で言えば27番の
「福原」、30番の「ふるき都」は、福原京と平城京を言います。
山家集には「都」と同じ意味の「京」の名詞のある詞書も11回
使われています。

平安京は第50代桓武天皇が794年に山背の地に遷都したものです。
それより前、784年に奈良平城京から乙訓長岡京に遷都しています。
平安京遷都後に「山背」から「山城」と地名文字も変えています。

「都」のある歌と詞書は以下に記述します。これまでに紹介したもの
については掲載号を記述するだけにとどめます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【既出歌】
 
01 あかずのみ都にて見し影よりも旅こそ月はあはれなりけれ
                (第335号「まかり」参照)
  
02 秋は暮れ君は都へ帰りなばあはれなるべき旅のそらかな
            (第343号「まかり・まかる」参照)

03 いつしかにおとはの瀧のうくひすそまつみやこにははつねなくへき
              (第79号「音羽・音羽山」参照) 

04 思へただ暮れぬとききし鐘の音は都にてだに悲しきものを
               (第335号「まかり」参照)

05 くさまくら旅なる袖におく露を都の人や夢にみるらむ
               (第223号「露・つゆ」参照)

06 ここも又都のたつみしかぞすむ山こそかはれ名は宇治の里
      (第160号「しか・鹿・かせぎ・すがる(3)」参照)

07 たけのぼる朝日の影のさすままに都の雪は消えみ消えずみ
           (第283号「人々よみける(2)」参照)

08 ちらでまてと都の花をおもはまし春かへるべきわが身なりせば
        (第267号「花(桜)+我・わが (1)」参照)

09 月はみやこ花のにほひは越の山とおもふよ雁のゆきかへりつつ
              (第263号「花(桜)+月」参照)

10 露おきし庭の小萩も枯れにけりいづち都に秋とまるらむ
           (第332号「まうで・まで 02」参照)

11 露しげく浅茅しげれる野になりてありし都は見しここちせぬ
       (第318号「古里・故郷・ふるさと (1)参照)

12 ながらへてつひに住むべき都かは此世はよしやとてもかくても
    (第188号「新院・讃岐の院・崇徳天皇 (3)」参照)

13 なれきにし都もうとくなり果てて悲しさ添ふる秋の暮かな
    (第223号「寂然 (03) 贈答歌(03)・想空歌」参照)

14 何となく都のかたと聞く空はむつまじくてぞながめられぬる
              (第243号「何となく(1)」参照)

15 ひときれは都をすてて出づれどもめぐりてはなほきそのかけ橋
     (第223号「木曽のかけはし・木曽のかけ路」参照)

16 人はみな吉野の山へ入りぬめり都の花にわれはとまらむ
      (第265号「花(桜)+吉野・吉野山 (01)」参照)

17 程ふれば同じ都のうちだにもおぼつかなさはとはまほしきに
           (第333号「まうで・まで 03」参照)

18 見しままにすがたも影もかはらねば月ぞ都のかたみなりける
           (第99号「かたみ・籠・かたみ」参照)

19 都にて月をあはれと思ひしは数より外のすさびなりけり
           (第192号「すさみ・すさび他」参照)

20 都近き小野大原を思ひ出づる柴の煙のあはれなるかな
           (第172号「下野」参照)

21 山路こそ雪のした水とけざらめ都のそらは春めきぬらむ
              (第274号「春+雪 (1)」参照)

22 世の中を捨てて捨てえぬ心地して都はなれぬ我が身なりけり
               (第223号「心地(02)」参照)

23 夜の鶴の都のうちを出でであれなこのおもひにはまどはざらまし
              (第224号「鶴・みな鶴」参照)

24 わたの原波にも月はかくれけり都の山を何いとひけむ
                 (第38号「いとふ」参照)

――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【歌・詞書共に「都」のあるもの】

     年の暮に、あがたより都なる人のもとへ
     申しつかはしける

25 おしなべて同じ月日の過ぎ行けば都もかくや年は暮れぬる
             (第238号「なべて(02)」参照)

     四國のかたへ具してまかりたりける同行の、
     都へ帰りけるに

26 かへり行く人の心を思ふにもはなれがたきは都なりけり
          (第341号「まかり・まかる 07」参照)

     福原へ都うつりありときこえし頃、伊勢にて
     月の歌よみ侍りしに

27 雲の上やふるき都になりにけりすむらむ月の影はかはらで
            (第315号「ふり・ふる (5)」参照)

     ある宮ばらにつけて仕へ侍りける女房、世を
     そむきて都はなれて遠くまからむと思ひ立ちて、
     まゐらせけるにかはりて

28 くやしくもよしなく君に馴れそめていとふ都のしのばれぬべき
               (第335号「まからむ」参照)

     ひとり見おきて帰りまかりなんずるこそあはれに、
     いつか都へは帰るべきなど申しければ

29 柴の庵のしばし都へかへらじと思はむだにもあはれなるべし
          (第341号「まかり・まかる 07」参照)

     奈良の僧、とがのことによりて、あまた陸奧國へ遣は
     されしに、中尊寺と申す所にまかりあひて、都の物語
     すれば、涙ながす、いとあはれなり。かかることは、
     かたきことなり、命あらば物がたりにもせむと申して、
     遠國述懐と申すことをよみ侍りしに

30 涙をば衣川にぞ流しつるふるき都をおもひ出でつつ
           (第342号「まかり・まかる 08」参照)

     さきにいりて、しのぶと申すわたり、あらぬ世の
     ことにおぼえてあはれなり。都出でし日数思ひつづく
     れば、霞とともにと侍ることのあとたどるまで来に
     ける、心ひとつに思ひ知られてよみける

31 都出でてあふ坂越えし折までは心かすめし白川の関
                  (第197号「関」参照)

     修行して伊勢にまかりたりけるに、月の頃
     都思ひ出でられてよみける

32 都にも旅なる月の影をこそおなじ雲井の空に見るらめ
          (第345号「まかり・まかる 11」参照)

――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーー

【詞書にのみ「都」のあるもの】

     遙かなる所にこもりて、都なりける人のもとへ、
     月のころ遣しける

33 月のみやうはの空なるかたみにて思ひも出でば心通はむ
                 (第99号「かたみ」参照)

     常よりも道たどらるるほどに、雪ふかかりける頃、
     高野へまゐると聞きて、中宮大夫のもとより、
     いつか都へは出づべき、かかる雪にはいかにと
     申したりければ、返りごとに

34 雪分けて深き山路にこもりなば年かへりてや君にあふべき
           (第207号「平時忠(中宮太夫)」参照)

     小倉をすてて高野の麓に天野と申す山に住まれけり。
     おなじ院の帥の局、都の外の栖とひ申さではいかがとて、
     分けおはしたりける、ありがたくなむ。帰るさに粉河へ
     まゐられけるに、御山よりいであひたりけるを、しるべ
     せよとありければ、ぐし申して粉河へまゐりたりける、
     かかるついでは今はあるまじきことなり、吹上みんと
     いふこと、具せられたりける人々申し出でて、吹上へ
     おはしけり。道より大雨風吹きて、興なくなりにけり。
     さりとてはとて、吹上に行きつきたりけれども、見所
     なきやうにて、社にこしかきすゑて、思ふにも似ざり
     けり。能因が苗代水にせきくだせとよみていひ伝へ
     られたるものをと思ひて、社にかきつけける

35 あまくだる名を吹上の神ならば雲晴れのきて光あらはせ
                 (第293号「吹上」参照)

――――――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーー

【他者詠歌】

01 思えただ都にてだに袖さえしひらの高嶺の雪のけしきは
         (寂然法師歌)(第293号「比良 02」参照)

02 したふ秋は露もとまらぬ都へとなどて急ぎし舟出なるらむ
 (大宮の女房加賀歌)(第223号「まうで・まで 02」参照)

**********************************
続き>

前号|次号|最新
バックナンバー一覧

s登録する
解除する

利用規約
ヘルプ
メルマガ検索
マイページトップ
まぐまぐ!トップ